先日、町の図書館に行って、まど・みちおさんの ある本を探したのですが、無かったので、詩集を借りてきました。
書名は『きょうも天気』。(至光社

2000年発行で、まどさん66〜91才のときの作品集。

特に心に強く響いた詩を4編ほど書き写させてもらいました。
そのうちの1編です。


    *******


     きんの光のなかに


 この世には草があるし木がある


 というようにして鳥がいるし獣がいる


 というようにして日々が明けるし四季が巡る


 というようにして私とても生かされている


 ふりそそぐ秋のきんの光のなかに


 という思いに浸れるのを幸せとして


 この数かぎりない物事のなかの


 どんなほかのものでもない


 これっきりの


 見えないほどの無いほどの


 一粒として



    *******

よく『自然との調和』とか『自然と共に』って言いますよね。でも、人間は、特別な存在ではなくって、自然の一部、ごくごく一部ですよね。それは、地球の歴史を見てもわかる。


もっと謙虚になって、自然に聞いて、自然から学んでいきたいです。


そして、自分が日々の暮らしの中で、なにかで困ったり、ナンダカンダ思ったり考えたりしていても、それは見えないほどの一粒。


でも、一粒としては、
有る。
一粒として生かされているのですよね──。