2/3に放映された番組から、
特にわたしの心に響いた作品を5〜6首 御紹介したいです。
NHKさんに問い合わせて、ゆうべ「どうぞ」と嬉しいお返事を戴いたんです。)


『平成18年度 NHK全国短歌大会 特選歌より』


 戦争など なかったやうな 雲の峰に
    君の笑顔を探す 八月


     ──「なかったやうな」という辺りが、
        なんとも…。
       「君」というのは、旦那様でしょうか、
        息子さんでしょうか。。 


 一歳が 二歳のうしろ 従きてゆく
    小石ひろへば 小石をひろふ


     ──これ、よく分かりますねー。私と姉は2つ違いでした。
       姉のちょっとした仕草も、すごーくカッコよく見えたりして…。


 沖ゆ来し 男波は むんと立ち上がり
    胸光らせて だんと崩れぬ


     ──「むんと」、「だんと」、
        この表現が、すごい。


 〝海が来る〟と寄せ来る波を怖がりて
    幼は われの服にすがりぬ


     ──「波が来る」じゃなくって「海が来る」
        幼は、そう思ったんですねー。 
       

 ちりめんの ふろしき ひろげ
    島島を つつむばかりに 波しづかなり


     ──「ふろしき」それも「ちりめんの」
        よく表現して下さった……。


 「聴こえません」「忘れました」を武器として
    八十六歳いよよ したたか


     ──こんなおばあちゃんも、いいナ!!