友人が運動会のことを書いてらして、自分のことを振り返ってみた。

小学校2年生くらいのとき。
その頃は、鉢巻って、赤と白だけだった。表と裏で使い分ける。

何かの競技で、私は鉢巻を座席に置き忘れて、出場してしまった。

運動会を終えて、父と出会うと、買ったばかりの鉢巻を差し出してきた。「無いんやろ?」って。

私は、「忘れただけだったのにぃー。2本になってしもて、もったいない…!」と思ってしまった。「聞きもせんと、なんで、すぐに買うてしまうんやろ…!」
でも、大人になってから思った。
とても無口な父は、私への想いを表す術を知らなかったのだ。
そういうことでしか表せなかったのだ──。

未熟だった私には、それが分からなかっただけだったんだ──。
ごめんね、天国のお父さん…。