きのうに引き続き、JULA出版局の
『わたしと小鳥とすずと〜金子みすヾ童謡集』から。
特に心に響いた詩です。


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     ふしぎ

  わたしはふしぎでたまらない、
  黒い雲からふる雨が、
  銀にひかっていることが。

  わたしはふしぎでたまらない、
  青いくわの葉たべている、
  かいこが白くなることが。

  わたしはふしぎでたまらない、
  たれもいじらぬ夕顔が、
  ひとりでぱらりと開くのが。

  わたしはふしぎでたまらない、
  たれにきいてもわらってて、
  あたりまえだ、ということが。

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これですよね──。
‘あたりまえ’になっちゃうんですよね。


以前、シクラメンを眺めていて、花が咲く瞬間に出逢えたことがあるんです。
つぼみの花びらは下向いているのに、
まるで仕掛けがあるもののように、パッと反り返るんですよね。
これには感動しました。
自然の巧みさに脱帽。
咲いてあたりまえ、では無いですね〜。


それと、小学校の3〜4年の頃のことを思い出したんです。
学校ではみんな、自分の椅子のうしろにランドセルをかけていました。
わたしの後ろの席の男の子が、なにかの都合で自分の机をグイと前に押したので、わたしのランドセルが押される格好になった。

わたしは思わず「ランドセルが、可哀そうや〜」と言うと、
その子に「かわいそうやて!」と馬鹿にされました。
わたしは、ヘンなことを言ってしまったと、後悔しました。

でも、後悔することもなかったのかな。。