私の初恋の人は、大きなバイクに乗ってました。
よく後ろに乗せてもらった。
ある日、うす暗い小道を飛ばしていたら、
急に下り坂になったらしく、
2秒くらい、フワッと浮いた──。
でも、無事に着地。

「道が無くなったかと思った…」
と顔を見合わせて冷や汗かきました。

でも、バイクの爽快さは、たまらない 。


その頃は東京にいたので、車の渋滞にはうんざりしていたし、
駐車代の高いのにもビックリしていました。
「免許とるのは、車より、バイクが良い」

そして彼と一緒にあちこち行くには、原付じゃなく
ギア付きの、力のあるのが良い!

それで、小型二輪免許(当時の規定は125cc)をとることに。


夏休みの間にとりたくて、集中して練習に通いました。
バイクは、安全のためにヘルメットはもちろん、
皮の手袋に、靴、長袖、長ズボン着用が
義務づけられていました。
その着衣の中は、汗みずく。。。
でも、そんなこと忘れて、夢中、がむしゃらに練習しました。


125ccって、私には大きなバイクで、
静止時、足先がやっと地面に触れる程度。
カーブで何度も転んで、アザだらけでした。
転ぶと、倒れたバイクを起こすのは、
全力をふりしぼって、やっとのことで、という状態でした。


スラローム、といって、点在する赤い三角錐の間を、
くねくねとすり抜けていくのは、
肩の力をぬいて、リズミカルに進んでいくと、やれる、
というのが分かってきて身についてきました。

平均台のような台があって、「まさか…」って思たけど、
その上をバイクで行くんです。
とっても怖かったけど、指導員の先生は、
「真下を見るな。5mくらい先を見て、肩の力を抜いて、
そのまま進むんだ。」と教えてくださって、
そのようにしたら、安定して出来るようになりました。


そして迎えた試験。
全然自信はなかったんですが、無事に合格

受けたのは、50人くらい。
若い元気な男の子がほとんどだったんですが、
合格は半数くらいでした。

私は、運動神経にぶいし、体力も無いし…、
と思ってたのですが、どういう訳か、
とにかく1回で合格できた〜っ

このことは、結構自分の中で残ってるんです。
 ゴジャゴジャ考えずに 本気で打ち込んだら 出来た。
 肩の力を抜いて
 リズミカルに
 足元を見るのでなく、チョット先を見て──。